貧血と低血圧は症状が似ていても、原因が違うので対策も変わってきます。
ここでは主に食事での対策をお伝えします。
☆☆貧血(鉄の不足による)☆☆
1、鉄をしっかり摂る
一番の対策は鉄をしっかり摂取すること。
人は毎日1~2mgの鉄を摂り、同じ量が体外に排泄されています。
なので1mgはしっかり摂れるようにすると良いとされています。
食品に含まれる鉄は2種類あり、一般的に体内への吸収率は、ヘム鉄が約10~25%、
非ヘム鉄は約2~5%ほどとされています。
・ヘム鉄
肉や牛乳などの動物性食品に多く含まれます。
吸収されやすいので、鉄の補給をするにはこちらの鉄がおすすめです。
ヘム鉄を摂るには、
肉や魚、卵や大豆製品をしっかり食べることが大切です。
※健康長寿ネット他参照

・非ヘム鉄
野菜などの植物性食品に多く含まれます。
日本人が摂取する鉄のほとんどが非ヘム鉄からと言われています。
非ヘム鉄は、胃酸でヘム鉄に変換されてから吸収されます。
胃酸が少なくなりやすい高齢者は、非ヘム鉄だげで鉄分を補うにはなかなか難しいかもしれません。
たんぱく質食品やビタミンCと一緒に摂ると、非ヘム鉄の吸収がよくなるので一緒に摂るようにしましょう。
※厚生労働省「統合医療」に係る情報発信等推進事業他参照

2、鉄の吸収をよくするものを一緒に
鉄は他のものに比べると吸収されにくい栄養素です。
単独で摂るよりも、一緒に摂ると鉄の吸収を良くするものがいくつかあります。
ぜひ一緒に摂りましょう。
①酸味のあるもの
野菜や豆類に含まれる非ヘム鉄は吸収されにくい鉄ですが、
酸味のあるものと一緒に摂るとその吸収がアップします。
酢やトマト、柑橘系のものと一緒に摂るようにしましょう。
胃酸が少なくなる高齢者は特に積極的に酸味のあるものを摂りましょう。
例)野菜のピクルス 豆とトマトのスープなど
②水溶性食物繊維を摂る
水溶性食物繊維(こんぶ、わかめ、果物、里芋など)は、鉄などのミネラルの吸収を促進する働きがあります。
摂取した水溶性食物繊維が大腸に到達すると、
腸内細菌の働きで短鎖脂肪酸というものを産生し、腸内を弱酸性にします。
これにより鉄などのミネラルが吸収されやすい形になるため、より鉄を体内に補いやすくなります。
ビフィズス菌や乳酸菌が多く含まれる発酵食品と一緒に摂るといいかもしれません。
例)りんごのヨーグルトがけ わかめの味噌汁など
鉄は不足しやすいミネラルなので、積極的に摂取することが大切ですが、
摂りすぎは亜鉛や銅といった他のミネラルの吸収を阻害してしまいます。

逆に、カルシウムの摂りすぎは鉄の吸収を阻害するといわれており、
ミネラルは不足しているものだけを摂ればいいのではなく、バランスよく摂取することが大切だということです。
鉄を多く含む食品を摂ればいい!ではなく、バランスよく色んな食材を食べるようにしましょう。
☆☆低血圧☆☆
1.3食きちんと食べる
低血圧の人は食欲不振から食事をきちんと摂らないことが多く、たんぱく質が不足しがちです。
たんぱく質は血液を送るのに必要なポンプ機能の役割を担う筋肉や血管の材料になったり、
血液そのものを作るのに必要な栄養素です。
たくさんの量は摂れなくても、毎食必ず摂るようにしましょう。
2.血圧を上げる働きが期待できる食品を摂る
①チーズ
特にチェダーチーズには血圧を上げる働きがある「チラミン」が豊富に含まれています。
この「チラミン」はココアや発酵食品、熟成食品にも含まれます。

②カフェイン飲料
カフェインには、血管や神経に働き、血圧を上げる働きがあります。
ただし、摂りすぎは睡眠を妨げることもあるので、心配な人は寝る前は避け、
1日3~5杯程度にしましょう。
など
③水分
水分は血液量を増やすのに欠かせないものです。
できるだけ2日1~2ℓは摂取するようにしましょう。150mlのコップで約13~14杯分です。
※オムロンヘルシーライフ参照