年度末に向けて忙しくなり、疲れが溜まりやすい時期ですね。
寒さに加え、忙しさから睡眠不足になったり、つい食事を疎かにしてしまったりすると、体調を崩しやすくなります。
突然ですが、疲労がなぜ生じるかご存知ですか?
私たちの身体には、命を維持するために身体の状態や機能を一定に保とうとする力(ホメオスタシス)が備わっています。
疲労もホメオスタシスの一つで、「これ以上、運動や仕事などの作業を続けると身体によくないですよ」という身体からの注意信号です。
疲労によって思考能力・刺激に対する反応・注意力・行動力の低下、目のかすみ、頭痛、肩こり、腰痛などがみられます(参照:健康長寿ネット)。このような症状を感じたときは、身体からの「休みたい」というサインかもしれません。
疲労にはいくつか種類があります。それぞれに合わせた対策をすることが疲労回復の近道になりますよ☆
☆肉体疲労タイプ☆
【疲れの感じ方と症状】
身体が重だるい、寝ても疲れが取れない
【タイプ】
外食(単品メニュー)が多い、朝食を摂らないことが多い、毎日1時間以上のハードな運動をしている方、肉体労働者
【原因】
身体に必要な栄養素が摂れていないことや、十分な休養を取らないまま活動を続けることにより起こる疲労です。食事のカロリーだけ気にする人がいますが、食べたものを活動のエネルギーとして使うにはビタミン等の栄養素が必要です。好き嫌いやダイエット、加工食品ばかり食べているとビタミン等が不足しやすくなり、疲労が出てしまいます。
【対策】
外食ではできる限り、サラダやお浸し、酢の物など副菜のつく定食メニューを選びましょう。また、朝食は1日を活動的に過ごすためにも大変重要です。朝起きるのが辛ければ、寝る時間を早くしたり、前日のうちに朝食の内容を予め用意しておくとよいですね。
健康を保つためには運動も必要ですが、過度な運動は逆効果です。特に疲労時は軽いストレッチ程度に留め、いつもより早めに就寝しましょう。一時間早く寝るだけでも疲れの取れ方は変わりますよ。

☆肝臓疲労タイプ☆
【疲れの感じ方と症状】
激しい運動をしたわけでもないのに感じる全身の疲れ
脂ものを摂るともたれる、食欲がわかない、右肩がこるなど
【タイプ】
タバコやお酒の量が多い、お酒が以前より弱くなった方
【原因】
食べ物を消化・吸収するのは胃や腸ですが、肝臓はそれを身体に必要な形へ作り変えます。他にも肝臓はお酒の代謝や解毒など、500種類以上の仕事をしているといわれています。そのためお酒の飲みすぎや、解毒すべきものを連続して摂る(タバコ等)と、肝臓が本来行うべき仕事ができず、その結果疲労感等の自覚症状が現れてしまうのです。
【対策】
普段の飲酒量が適正飲酒量より多ければ、まずは減らしましょう。適正飲酒量とは純アルコール量20gのことで、ビールであれば中瓶1本、日本酒であれば1合です。ただし女性や高齢者は缶ビール(350ml)一本以下にすることを目安としましょう。

タバコは禁煙することが望ましいです。禁煙できない場合でも出来るだけ減らしましょう。良質たんぱく質(肉、魚、卵、大豆など)は元気な肝臓に不可欠です。毎食しっかり摂り入れたいですね。
身体全体に言えることではありますが、冷えるとはたらきが悪くなりますので、冷えやすい方はお腹を冷やさないように腹巻やカイロを活用すると良いでしょう。
☆自律神経疲労タイプ☆
【疲れの感じ方と症状】
動悸がする、喉に違和感がある、
寝つきが悪い、眠りが浅い、気持ちが落ち着かない
【タイプ】
ストレスを感じることが多い、気候の変化に弱い、下痢や便秘を繰り返す
【原因】
仕事や対人関係等のストレス、環境変化により自律神経のバランスが乱れると、
休んでいるつもりでも興奮状態が続いてしまい、疲れが取れずに疲労が起きてしまいます。
【対策】精神的なストレスがある場合は、趣味を見つける、寝る環境を整える(枕を合うものに変える、寝具カバーの肌触りを好みのものにするなど)、リラックスできる時間を積極的に作ることで疲労が和らぐ場合もあります。好きな香りを携帯し、リラックスしたいときに嗅ぐのもおすすめ。環境変化がストレスになっている(寒暖差など)場合は、服装やエアコンを活用し、寒暖差の激しい環境に身を置かないことも必要です。その他、眼精疲労タイプの対策も参考にしてください。

☆胃腸疲労タイプ☆
【疲れの感じ方と症状】
食欲がない、気力がわかない、胃腸の調子が悪くなることが多い、すぐ横になりたくなる
【タイプ】
少食(1口残すことがある)、湿度の高いときに具合が悪くなる、細身、胃薬が手放せない、咀嚼がうまくできない
【原因】
夏ばてや胃腸炎になった後、口腔機能の低下など、何らかの原因から胃腸機能が低下し、食べ物の消化吸収がうまくいっていない状態です。
【対策】
ごぼうなどの繊維が多い食品、脂もの、コーヒーや炭酸飲料、香辛料など胃腸に負担をかける食事を避けましょう。大根おろしなど刺激のマイルドな薬味は食欲増進になります。食事方法としては、胃腸に負担をかけないよう野菜は柔らかく煮て食べる、一食当たりの食事量を減らして食事回数を増やす、食べるときは30回以上噛む等がおすすめです。漢方薬で胃腸機能を改善する方法もあります。口腔機能に問題のある方は、早めに歯科医師へご相談ください。

☆眼精疲労タイプ☆
【疲れの感じ方と症状】
目の奥が痛い、目が乾く、肩がこる
【タイプ】
パソコンやスマートフォンを使うことが多い、目薬が手放せない、細かい作業をすることが多い
【原因】
細かい作業に集中したり、パソコンやスマートフォンから出ているブルーライトを長時間浴びたりすると、目の神経や筋肉へ負担がかかり、目が疲れます。ブルーライトは眼精疲労の原因となるだけでなく、それを浴びることで脳は覚醒するため、寝る前にテレビを観たりパソコンやスマートフォンを操作することで睡眠の妨げともなるため、更に疲れがたまりやすくなるのです。また、長時間同じ姿勢でいることによる血行不良、筋肉の緊張などから肩こりや頭痛が起こっている状態です。気がつかないうちに瞬きの回数が減少していることも多く、涙で目を潤すことが出来ないために乾燥もおこります。
【対策】
パソコンやスマートフォンの操作をする際は、ブルーライト対応の眼鏡をかける、パソコンにブルーライトをカットできるカバーを設置する、照明が画面に当たらないようにすると良いでしょう。意識的に瞬きをしたり、1時間に1回は休憩するなど自分のルールを決めることも大切です。寝る30分前にはパソコン・スマートフォンの使用を控えましょう。
