アトピー性皮膚炎は強いかゆみが特徴の慢性的な皮膚炎。
本来は体を守るために必要な免疫が過剰に反応してしまうことで、不要な炎症を起こしています。

<こんな人がなりやすい>
・本人や家族にアトピー性皮膚炎や喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーなどの人がいる
・皮膚が乾燥しやすい
・胃腸の状態が悪い
・バリア機能が乱れている、乾燥肌
かゆいから掻いてしまう→掻いた皮膚のバリア機能が乱れ、更に刺激が侵入しやすくなる→炎症が悪化、かゆみが増幅
という悪循環に陥ります。
・冷えがある
<刺激となりやすいもの>
ダニ、カビ、ほこり(ハウスダスト)など
皮膚への物理的な刺激(引っかく、こするなど)
化学物質(シャンプー・石鹸、化粧品、金属、消毒薬など)
汗、皮膚の汚れ
紫外線など
日常の習慣が悪化の原因かもしれません。
当てはまるものはありませんか?
□衣類は綿製品より化学繊維の製品が多い
□洗濯は柔軟剤を使用する
□入浴では、ボディタオルを使う
□寝具はこまめ(週1回程度)に干せていない
□シーツ・カバー類はこまめに交換していない
□1日中窓を閉めっぱなしなど部屋の換気をしていない
□爪は長くなって気づいたときに切っている
<症状コントロールのポイント>
基本は①薬物療法②スキンケア③悪化要因の対策です
①薬物療法
★ できるだけ早くしっかりと炎症を抑える&再発させない
薬は正しく使いましょう。特に医師から処方された薬を自己判断で止めたり、減らしたりしないでください。
見た目は治ったように見えても奥のほうには炎症が残っていて、薬を中断すると余計ひどくなることがあります。
*2020年 アトピー性皮膚炎に新たな薬が出ました。かかりつけ医師と相談してみましょう。(コレクチム軟膏やオルミエント
)
薬を塗ってもかゆいときは?
かゆくても掻かないことが大切。どうしもかゆいときは冷やすとラクになります。
「別のことを考える」ようにする、かゆい場所がかけないように包帯をするのも一つの方法。
逆におススメできないのは、熱いお湯をかけること。一時的にかゆみが治まることもありますが、その後かゆみがぶり返すのでやめましょう!
②スキンケア
★ 皮膚を乾燥させない!
入浴後3分以内を目安に保湿を。保湿剤は敏感肌の方向けのものや、椿油、馬油、オリーブ油などがおすすめ。
【健康レシピ】乾燥肌
③悪化要因の対策
★1 皮膚への刺激を減らすこと
シャンプー・石鹸は刺激の少ないものを。敏感肌向けの石鹸を使ってもだめなときは、シンプルな石鹸に変えてみましょう。
もしかしたら添加物が刺激になっているかもしれません。
固形石鹸なら「石けん素地」、液体石鹸なら「カリ石けん素地、水」とだけ書いてあるものがおすすめです。
洗うときはよく泡立てて、「泡で洗うイメージ」で。
泡立てネットや専用の商品も売られていますが、ここではすぐ出来る泡立て方法をご紹介!

洗面器に少量の湯を入れる⇒石鹸を入れ、石鹸水を作る⇒手を泡だて器に見立て、ホイップする。
どこでもできて、体を洗う十分な泡を作れるのでおすすめ!
ただし石鹸に頼るのではなく、水でよく汚れを落とした上で落としきれない汚れに対して少量の石鹸を使うイメージでいましょう。
★2 衣類は綿素材を
・洗濯をするときはよくすすぎ、柔軟剤の使用を控えましょう。
すすぎ1回の洗剤が人気ですが、洗剤が気になる場合はしっかりすすぎましょう。
★3 汗はきちんとケア
汗をそのままにしておくと菌が繁殖しやすくなり、症状の悪化につながります。
ただし、アトピーの方は汗を必要なとき(体温上昇時)にかけないことで皮膚に熱がこもり、乾燥することでアトピーが悪化するようです。「汗をかかないようにする」のではなく、「汗をかいてこまめにケアする」という心がけで生活しましょう。
★4 日焼けを防ぐ
紫外線によるダメージがアトピーの症状を悪化させる可能性があります。外出時は低刺激の日焼け止めを塗りましょう。
★5 ストレス、疲れをためない
ストレス発散のための飲酒も、症状を悪化させる原因に。軽い運動(30分程度)で発散するのがおすすめ。
こちらにも詳しく掲載されています。
⇒ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック