更年期、と聞くとイソフラボン!エクオール!という名前が出てくる方も多いのではないでしょうか。
どちらも女性向けのサプリメントでよく見かけますね。

大豆に多く含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)と形が似ていることから、植物性エストロゲンとも呼ばれます。
大豆イソフラボンの多くは糖と結合した状態で存在していて、働くためには腸内細菌によって糖と分離される必要があります。


エクオールとは、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインが腸内細菌によって作られる成分です。
このエクオールこそが女性ホルモン様の働きをすることがわかってきました。
シワ・更年期症状・骨密度など、女性にとって気になる健康と美容に良い効果があると期待されています。

注目すべきは、腸内細菌。
イソフラボンから糖を切り離すだけでなく、イソフラボンからエクオールを産生するにも関係してきます。
つまり、いくら大豆製品を摂っても、腸内細菌が働いてくれないとエクオールは産生されません。
大切なことは①大豆製品を十分に摂ること②腸内環境を整えることの2つなのです。
エクオールの産生能力には個人差があります。今まで、大豆製品を食べてもいまいち効果を感じられなかった人は、エクオール産生能力が低いのかもしれません。
*日本人は50%のひとはこのエクオールを作るための産生菌を持っていないと言われています。
エクオールを十分な量つくれているかは、尿検査で簡単に調べることができますよ。

◆エクオール産生能力が低いと分かった場合◆
《食事での対策》
①大豆製品を十分に摂る
エクオールは1日あたり10mgが摂取の目安と言われていますが、そのためには大豆イソフラボンを50mg摂取する必要があります。
《大豆イソフラボン50mを含む食品例》

※イソフラボンの上限は1日あたり70~75mgです。(毎日摂る場合)
なお、大豆イソフラボンは大豆の中でも特に大豆胚芽に多く含まれます。

この大豆胚芽だけを取り出したものは市販されています。お米に混ぜて炊くと、おいしくイソフラボンが摂れますよ。
大豆胚芽油にはコレステロールの上昇を抑制する効果もあることが分かっていますので、コレステロールでお悩みの方にもおススメ。普段の料理や食事に取り入れてみてくださいね。
②腸内環境を整える
エクオールの産生能力が高かった方は、腸内細菌に多様性があることが分かっています。
ある研究結果によると、緑黄色野菜・淡色野菜・海藻類・根菜・きのこ・納豆・穀物類を食べていたそうです。
一方産生能力が低い人は外食習慣が多く、さらに長期的な食習慣としてラーメンやアルコール類ではワイン、焼酎またコーヒーを多食していて、腸内細菌の種類も少なかったそうです。
腸内環境を整えるポイントはこちら⇒【健康レシピ】風邪
もちろん、よく噛んで消化を助けることも大切です!
食事で大豆製品を十分に摂る、腸内環境を整えていくことはもちろん大切ですが、
毎日となるとなかなか難しい・・・
その場合にはサプリメントを活用してみるのも良いでしょう。

《日常での対策》
☆身近な人に自分のことを伝える時間を設け、理解を求める
☆時間に追われる生活ではなく、スケジュールにゆとりをもたせて落ち着くことのできる時間を増やす
☆アロマ、手湯・足湯などでリラックス
☆趣味で気分転換する
☆軽い運動をする
☆呼吸に意識を向ける(複式呼吸)

更年期は期間限定のものです。いつまでも続くわけではないと思うだけでもラクになるかもしれません。
仕事、家事、子育てで忙しい方が多いと思いますが、積極的に自分のための時間を作り、
時には自分を甘やかしながら更年期を過ごしていきましょう!
参考HP:
大塚製薬
農林水産省
小林製薬
クラシエ薬品
株式会社アドバンスト・メディカル・ケア
参考論文:
ラットにおける大豆胚芽油由来ステロールと大豆ステロールのコレステロール上昇抑制効果の比較
現代の更年期女性における体型とQOL・更年期症状の関連